2003年04月18日

てくてくてく。

昨夕、まだ薄明かりの残る会社の玄関を定時に出発。
車は会社の駐車場。
これで強制的に「明日の朝も歩く」。

MDに録音しておいたラジオドラマは1回15分。
15分でこのあたりまで歩けるかな?
と、思っていたところまで調子よくすすんだ。
30分。
マクドナルドの前を通過。
何か飲みたい?飲みたくない?
と、心の中で誘惑がささやく。無視してラジオドラマに意識を集中。

てくてくてく。

5分ほどして、なが~い上り坂にさしかかった。
ゆるやかだけど、とにかく長い。
自家用車でもギァチェンジを余儀なくされるとこ(わたしの車は5速のマニュアル車)。
ドラマの進行具合を聞きながら、45分目までに上りきるか?などと考える。

ドラマの主人公たちは私の耳の中で話し、笑い、泣き、元気に喧嘩して青春を謳歌している。
やがで主人公が全速力で走り始めた。
はぁはぁはぁと息を切らしながら、まわりでやんやの喝采が起こり、音楽がどんどんムードをもりあげていく。

わたしもそれにあわせながら坂道をのぼる。
やんやの喝采はないし、泣き笑いもないし、話す相手もいない。
でもなんだかいつもより元気に歩ける気がする。

主人公は上りきった。夕日を見つめている。
わたしはまだ登りきらない。あとちょっと、あとちょっと。こちらの方はもう日が落ちて、暗くなっている。

いきなり、ポケットがもぞもぞとし始めた。
MDを止めて、ポケットから携帯電話を取り出す。
姉のゆんたんだった。
「あんた、歩いてるのぉ~?今会社に人参もってきたんだけど。」

どっと汗が噴きだしてきた。

#歩く