2003年05月19日

オクトーバー・スカイ

最近、ちょくちょくレンタルDVDを借りてくる。
あまり内容を吟味しないで、ストーリーを読んでえいやっと借りる事にしている。
たまに面白いのがあたると、詳しい話を知らない方がずっと面白いから。
 
オクトーバー・スカイは、ストーリーを読んだ時大して面白いものとは感じられなかった。表紙も興味深くは感じられない。ほんとに、何となく、借りた1作。
 
ほかに見たい番組もなかった日曜日の午後、ダッチオーブンに夕食の材料を突っ込んで弱火でセットしたあと、ぼんやりとこの映画を見始めた。
 
第2次大戦あとのアメリカの炭鉱の町が舞台。
 
炭鉱会社が、町も、家も、教会も所有している。町の人々はほとんどが炭鉱で働き、子どもたちは成長するとその炭鉱で働く。ごく一部の限られた子たちが、アメフトなどで見出され、大学の奨学金を貰うことで「外」の町に出て行ける。。。人も子どもも、それをあたりまえとして、諦めたように受け入れている町。

そこに住む男子高校生が主人公。
お父さんは炭鉱の監督で、会社と、社員たちの間に立ち、苦慮しながらも炭鉱の男であることに誇りを持っている。
お兄さんはアメフトのキャプテンで、話の途中、大学の奨学金を得る確約を貰う。

主人公は勉強も、スポーツも、人より秀でることのない普通の高校生。いやむしろ優秀な兄と、優秀である兄を愛する父親のおかげで劣等感に苛まれている。

その主人公が、ある夜、はじめて人工衛星の軌跡を見た。
その美しさに魅入られ、自分もロケットを飛ばしたいと思った。でも、町の人は彼を変人扱いする。


父親と息子、母親と息子、そして友人たち。
普遍的なテーマかもしれないけど、これが実話というのがズシンと胸に来る感動物語だった。

知らない内に夢中になり、彼らが飛ばしたロケットひとつひとつが失敗するたびにがっかり、成功したロケットを一緒に喜び、それが山火事の原因として彼らが逮捕された瞬間、悲しさと怒りを感じ...何やってんだ?私は。と、たまに現実にもどりながらも惹き込まれて行く。


一人の女性教師と、校長の対応が目に付いた。
まわりで引き込まれながら支援していく大人たち、そして息子の事をほっとけずに苦慮する両親の対応。

ベンチャースカウトたちを相手するようになってから、私はどうしてもこういった大人の影響が少年たちに与えるもの、に、目が行く。

悪役ではなく、当然の立場を持って少年たちの行動を「正そう」とする大人たち。
彼らが伸び行く瞬間にあると見て、自分では指導できないと告白しながらも 精一杯応援する教師。
子どもたちの情熱に負けて、支援していく方向に流されていく大人たち。

わたしは、どちらにいるんだろう。

#映画 #本 #ボーイスカウト

2024年追記。
ほぼ10年くらい前かな、アメリカ・ボーイスカウトのリーダーのウッドバッチ研修を受けたとき。
リーダーの訓練のひとつとして、この映画を鑑賞することがありました。
リーダーの訓練として、技能だけじゃなくて
こうした「考え方」の訓練していることに驚きました。

そしてこのとき、この映画みていて良かったと思った。
だって字幕なしだったんだもん。