2003年03月17日

愚か者

2001年の秋、一週間、野営での研修を受けてきた。
その時考えて記録した事を、
先日から瀬戸内寂聴さんのサイトを読んでるうちに思い出した。

※   ※   ※

 最終日にこんなお話をいただいた。
「森の中の植物は、ここに種を落とし、ここで育つ。
あるものは1年でその命を終え、あるものは何百年と命を続ける。
でも変わらないものがある。
植物は、命を得たその場所から逃げ出すことはできない。」

このお話をいただいた間、
好きな方角を向いて自然を見なさいと言われたので
日の昇る東の丘を見上げていた。

私にとっての大きな思いや悩み、喜び、苦しみは
何てこの自然の中で小さなものなんだろう。

泣こうがわめこうが自然はただそこにいる。
批判も慰めもなく、ただそこに同じように存在する。

自然は何も語り掛けない。
答えを頂戴と叫んでも、ただ同じように存在している。
時にはやさしく包んでくれ、時には脅威となる。

※   ※   ※

人と人がにらみ合い、戦い、殺しあってるこの世界。
それを愚かだと叫ぶ人々。
悲しいと泣き叫ぶ人々。
これも必要だと憤る人々。

自然は、そんな時も
ただ、そこに或る。
いいも悪いもなく、
ただ、あるだけ。

#内観